空飛ぶタクシーは2026年いつ乗れる?2027~28年商用化と料金・安全性を徹底解説
2026年10月現在、空飛ぶタクシーは「実験段階」から「商用運航に向けた準備段階」へと進んでいる。日本政府は2026年3月27日に「空の移動革命に向けたロードマップ」を改訂し、2027年から2028年に一部地域で商用運航を開始する方針を明確にした。大阪・関西万博での実証飛行を経て、SkyDriveやJoby Aviationなどの開発企業は、型式証明や量産体制の整備を進めている。 (あわせて読みたい:【2026年最新】ローソンのウチカフェドリンク商品一覧!定番から新作まで紹介)
では、一般の人が空飛ぶタクシーに乗れるのはいつなのか。料金は通常のタクシーと比べて高いのか。安全性はヘリコプターとどう違うのか。2026年の最新動向を整理すると、期待が先行する一方で、航空機としての認証、離着陸場の整備、運航コストなど、解決すべき課題も見えてくる。日本の商用化を左右する5社の開発状況から、利用開始までの現実的な見通しを解説する。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 商用運航は2027~2028年が目標: 経済産業省と国土交通省が2026年3月に改訂したロードマップで明示された。
- 日本の先行企業はSkyDrive: SD-05の型式証明取得に向けた計画で国土交通省と合意し、2026年7月には累計300回の飛行試験を発表した。
- 料金はまだ未発表: 初期段階では観光・限定路線などから始まる可能性が高く、一般的なタクシーのような日常利用は段階的な普及を待つ必要がある。
【2026年最新】空飛ぶタクシーはいつから乗れる?2027~2028年の商用化を検証
2026年現在、一般向けの旅客サービスはまだ始まっていない
最初に押さえておきたいのは、空飛ぶタクシーが実際に飛行していることと、一般客が料金を支払って移動できることは別だという点だ。
2025年の大阪・関西万博では、SkyDriveのSD-05、Joby AviationのJoby S4、LIFT AircraftのHEXAなどが展示飛行を実施した。しかし、これは一般向けの定期旅客輸送サービスが始まったことを意味しない。
2026年には東京都内でも実証実験が行われている。東京都の公表資料によると、2026年2月24日から28日までの5日間、東京ビッグサイト周辺で旅客ターミナルを設置した実証を実施した。
この実験では、機体に乗客を乗せず、無人・遠隔操縦による飛行を行った。つまり、機体を飛ばすだけでなく、利用者が搭乗する場所や地上での案内、運航管理などを含めたサービス全体の検証へ進んでいる。
2026年3月の政府ロードマップ改訂が大きな転換点
日本の空飛ぶクルマの普及を考えるうえで、最も重要な資料が経済産業省と国土交通省による「空の移動革命に向けたロードマップ2026」だ。
2026年3月27日に開催された第12回官民協議会で改訂され、商用運航の開始時期が具体的に示された。
政府が掲げた主な目標は次のとおり。
- 2027~2028年: 一部地域で商用運航を開始。
- 2030年代前半: 運航エリアを拡大し、新しい交通管理システムや遠隔操縦による旅客輸送を導入。
- 2030年代後半: 自動・自律運航の一部実現。
- 2040年代以降: 日常的な移動手段としての定着を目指す。
注目したいのは、2027~2028年の段階で、全国どこでも自由に利用できる交通サービスを目指しているわけではないことだ。
まずは限定された地域やルートで運航を開始し、実績を積みながら対象地域を広げる計画になっている。
2025年の大阪・関西万博を一つの節目としていた従来の計画から、実際の商用サービスを開始するための制度整備と技術開発を重視する段階に移ったといえる。
最初に乗れる可能性があるのは観光・短距離移動
初期の利用シーンとして考えられるのは、次のような用途だ。
- 観光地での遊覧飛行。
- 離島と本土を結ぶ短距離移動。
- 空港と都市部を結ぶアクセス輸送。
- 交通渋滞が深刻な地域の移動。
- 災害時の物資輸送や医療支援。
特に観光分野は、一般の交通手段として定着する前から利用目的を明確にしやすい。
SkyDriveと岡山県の一般社団法人MASCは、瀬戸内地域での観光ルートを検討している。牛窓と小豆島、宇野と直島、笠岡諸島、児島・鷲羽山周辺などが候補として挙げられている。
同社は2028年にMASCへ2機を納入し、同年中のサービス開始を目指す計画を発表した。
したがって、2027~2028年に期待されるのは、まず地域限定の商用サービスだ。東京の中心部で誰もがスマートフォンから自由に呼べる空飛ぶタクシーが普及する時期とは区別して考えたい。
【仕組みを図解】空飛ぶタクシーはなぜ滑走路なしで飛べる?
eVTOLとは電動垂直離着陸機のこと
空飛ぶタクシーの技術的な名称は、eVTOL(electric Vertical Take-Off and Landing)だ。
日本語では電動垂直離着陸機と呼ばれる。
一般的な航空機は滑走路を使って離陸するが、eVTOLは電動モーターでプロペラやローターを回転させ、ヘリコプターのように垂直方向へ浮上する。
基本的な飛行の流れは次のとおり。
1. 垂直離陸: 複数のローターを回転させて機体を浮上させる。
2. 上昇・移動: 飛行制御システムによって高度と姿勢を調整する。
3. 水平飛行: 機体の構造に応じて、プロペラや翼を使って目的地へ移動する。
4. 垂直着陸: 着陸地点の上空で速度を落とし、垂直に降下する。
滑走路が不要になるため、専用の離着陸場であるバーティポートを整備すれば、空港以外にも運航拠点を設けられる可能性がある。
空飛ぶタクシーの主な3つの仕組み
機体の構造はすべて同じではない。代表的な設計思想は3種類に分けられる。
① マルチコプター型
複数のローターを使って浮上するタイプ。比較的コンパクトな設計が可能で、短距離の都市内移動に適している。
SkyDriveのSD-05やVolocopterのVoloCityが代表例だ。
② ベクタードスラスト型
プロペラの向きを変えることで、垂直離陸と水平飛行を切り替えるタイプ。
Joby AviationのJoby S4やArcher AviationのMidnightが代表的な機体となる。
③ リフト・クルーズ型
垂直離陸用のローターと水平飛行用の推進装置を組み合わせるタイプ。
離陸時と巡航時で役割を分担する設計が特徴だ。
ヘリコプターやドローンとの違い
空飛ぶタクシーは、単に大型化したドローンではない。
人を乗せて輸送することを前提とした航空機であり、機体設計、操縦、整備、運航管理について厳格な航空安全基準を満たす必要がある。
ヘリコプターと比べると、電動モーターを複数搭載する設計や、機械的な駆動系を簡素化できる可能性が特徴だ。
ただし、電動だから必ずしも運航コストが安いわけではない。バッテリーの交換・充電、電池寿命、整備、操縦士の人件費などを含めた総コストで評価する必要がある。
【開発企業5社を比較】SkyDrive・Joby・Archerの最新状況
日本国内で型式証明の申請が受理されている機体は、2026年8月時点で5件となっている。
その内訳は、日本のSkyDrive、米国のJoby Aviation、ドイツのVolocopter、英国のVertical Aerospace、そして米国のArcher Aviationだ。
2026年10月時点の開発・認証状況
| 企業 | 開発機体 | 主な経緯・2026年の状況 |
|---|---|---|
| SkyDrive(日本) | SD-05 | 2021年10月29日申請受理。2026年3月に国土交通省と全般計画書で合意。2028年商用化を目指す |
| Joby Aviation(米国) | Joby S4 | 2022年10月18日申請受理。米FAAの最終認証段階で試験を進める |
| Volocopter(ドイツ) | VC2-1/VoloCity | 2023年2月21日申請受理。2025年にDiamond Aircraft傘下で再編。2026年も運航・操縦関連の試験を実施 |
| Vertical Aerospace(英国) | VX4/Valo | 2023年3月29日申請受理。2026年4月に有人遷移飛行を達成。型式証明目標を2029年に変更 |
| Archer Aviation(米国) | Midnight(M001) | 2026年8月21日申請受理。米国で都市間飛行試験を実施 |
※申請受理は型式証明の取得を意味しない。各機体の認証は引き続き審査・開発段階にある。
SkyDrive SD-05:日本の商用化を担う先行機体
日本企業の中でも注目度が高いのが、愛知県豊田市を拠点とするSkyDriveだ。
同社が開発する「SKYDRIVE(SkyDrive式SD-05型)」は、パイロット1人と乗客2人の計3人乗りを想定したコンパクトな電動航空機である。
公表されている主な仕様は以下のとおり。
- 全長:約11.5メートル。
- 全幅:約11.3メートル。
- 高さ:約3メートル。
- モーター・ローター:12基。
- 最大巡航速度:時速100キロメートル。
- 航続距離の公表値:15~40キロメートル。
2026年3月9日、SkyDriveは国土交通省航空局(JCAB)と型式証明取得に向けた全般計画書について合意した。
これは、機体全体の安全性をどのような手順で証明するのか、メーカーと航空当局の間で基本的な認証計画が一致したことを意味する。
ただし、型式証明そのものを取得したわけではない。構造、システム、電動モーター、騒音など、個別の認証計画や適合性の確認が引き続き必要になる。
さらに2026年6月24日には、時速100キロメートルでの高速飛行試験を達成。7月2日には、2024年11月から2026年6月までの飛行試験が累計300回に達したと発表した。
300回という数字は開発の積み重ねを示す重要な成果だが、商用運航に必要なすべての安全条件を満たしたことを意味するものではない。
Joby Aviation Joby S4:米国の認証競争をリードする存在
米国のJoby Aviationが開発するJoby S4は、パイロット1人と乗客4人の計5人乗りを想定した機体だ。
複数の傾斜式プロペラを搭載し、垂直離着陸と水平飛行を切り替える。
2026年3月11日、Jobyは米連邦航空局(FAA)の型式証明に対応した初の適合機体による飛行試験を開始したと発表した。
さらに同年8月の第2四半期決算発表では、FAAの型式証明プロセスの最終段階における進展を公表。5機が飛行し、12機が製造段階にあると説明している。
トヨタとの製造分野での協力も進めており、量産体制の構築が重要なテーマとなっている。
Archer Aviation Midnight:2026年に日本の認証審査へ参入
Archer Aviationの「Midnight」は、米国を中心に開発が進められている電動垂直離着陸機だ。
2026年7月30日には、カリフォルニア州のサリナス空港とモントレー空港の間を有人で往復飛行した。Archerの発表によれば、片道の飛行時間は約9分で、同じ区間を自動車で移動した場合の35分以上と比較して大幅な時間短縮を実証した。
日本でも大きな進展があった。
2026年8月21日、国土交通省はMidnight(M001型)の型式証明申請を受理した。
これによって日本で型式証明の申請が受理された空飛ぶクルマは5件となった。
米国のFAAとも連携しながら審査が進められる見込みだが、日本国内での旅客運航がすぐに認められるわけではない。
VolocopterとVertical Aerospaceの現在地
VolocopterのVC2-1は、一般にVoloCityとして知られる機体だ。
同社は2025年3月、Diamond Aircraftグループによる再編を発表した。経営上の困難を経て事業を継続する体制を整え、2026年5月には救急航空サービスを担うADAC Luftrettungのパイロットが、地上シミュレーションシステムを使ってVoloCityを操縦する試験を実施した。
一方、Vertical Aerospaceは、従来のVX4を発展させた機体をValoとして展開している。
2026年4月には有人での遷移飛行を達成。7月には英国民間航空局(CAA)から公開実証飛行に向けた許可範囲の拡大を受けた。
ただし、同社は型式証明の取得目標を従来の2028年から2029年へ変更している。技術的な進展と認証取得の時期は、必ずしも一致しないことを示す事例だ。
【料金・費用】空飛ぶタクシーはいくらで乗れる?普及後の価格を分析
2026年現在、一般向けの運賃は未発表
空飛ぶタクシーの料金については、具体的な運賃が気になる人も多いはずだ。
しかし、2026年10月現在、一般向けの商用サービスについて確定した全国共通の料金は発表されていない。
SkyDriveの公式FAQでも、運賃は機体、移動距離、運航頻度、離着陸場の使用料、保険料、整備費などによって決まり、具体的な金額はサービス開始時に公表すると説明している。
ここで注意したいのは、機体の販売価格と乗客が支払う運賃は別物だということだ。
メーカーが航空機を販売する価格が決まっていても、それだけで利用料金を計算することはできない。
運賃を左右する5つのコスト
空飛ぶタクシーの料金は、主に次の要素に左右される。
1. 機体の購入・減価償却費
航空機そのものの購入費用を、耐用年数や運航回数に応じて回収する必要がある。
2. バッテリーと電力費
電気で飛ぶため燃料代を抑えられる可能性がある一方、バッテリーの充電設備、交換、劣化への対応が必要になる。
3. パイロットと整備士の人件費
初期の商用運航ではパイロットが搭乗する方式が中心になると考えられる。操縦士の確保や定期整備も運航コストに含まれる。
4. バーティポートの維持費
専用の離着陸場、充電設備、乗客の待合施設、保安設備などの整備と維持に費用がかかる。
5. 保険・運航管理費
航空機保険、気象情報、飛行ルートの管理、緊急時の対応体制なども必要だ。
最初から格安タクシーになるとは限らない
空飛ぶタクシーが普及すれば、すぐに一般的なタクシーと同じ料金になるという期待もある。 (あわせて読みたい:朝加真由美の現在は?2026年の出演作、娘・手塚真生との同居と結婚・離婚の経緯を徹底解説)
しかし、初期段階では搭乗人数が少なく、機体の運航回数も限定される。運航コストを少数の乗客で負担する構造になれば、運賃は高くなりやすい。
そのため、サービス開始時は観光遊覧や空港アクセスなど、時間短縮や移動体験に価値を感じる利用者が中心になる可能性がある。
将来的に料金を下げるには、機体の量産、運航頻度の向上、充電設備の共通化、整備の効率化、遠隔操縦や自動化による運航体制の改善が必要だ。
特に政府ロードマップが示す2030年代前半の遠隔操縦導入は、将来の運航コストを考えるうえで重要なポイントとなる。
【安全性と課題】空飛ぶタクシーは本当に安全なのか?
型式証明は安全性を確認するための重要な関門
空飛ぶタクシーの安全性を判断するうえで、最も重要な言葉が「型式証明」だ。
型式証明とは、航空機の設計が国の定める安全性や環境適合性の基準を満たしているか、航空当局が審査・検査する制度である。
日本では国土交通省航空局が審査を担当する。
審査対象となるのは、単に機体が飛行できるかどうかだけではない。
- 機体構造の強度。
- モーターや推進システムの信頼性。
- 飛行制御システムの安全性。
- 電源やバッテリーの異常への対応。
- 緊急時の飛行・着陸能力。
- 騒音などの環境適合性。
こうした項目を検証し、機体全体として安全基準に適合していることを証明する必要がある。
米国ではFAAがPowered-Liftという新しい航空機カテゴリーの運航・操縦士資格に関する制度を整備している。欧州ではEASAがSC-VTOLという専用の耐空性基準を策定してきた。
世界各国で新しい航空機に対応した制度が整いつつあるが、各国の認証を取得する作業は依然として大きな開発課題だ。
課題① バッテリーの発火と電源トラブル
電動航空機である以上、バッテリーの安全性は避けて通れない。
リチウムイオン電池は、短絡や過充電、異常な温度上昇などによって熱暴走を起こす可能性がある。
航空機では、飛行中に電源系統で重大な異常が発生すれば、乗客の安全に直結する。
そのため、バッテリーの監視、温度管理、異常時の遮断、火災の封じ込めなど、多層的な対策が求められる。
課題② モーターやローターの故障
複数のローターを搭載する機体は、推進装置を分散させられることが特徴だ。
しかし、モーターが複数あるからといって、故障時に必ず安全に飛行できるわけではない。
一部のモーターが停止した場合に機体の姿勢を維持できるか、残りの推進装置で安全な着陸ができるかなどを検証する必要がある。
冗長設計が実際の故障条件で機能することを、試験データによって証明しなければならない。
課題③ 悪天候と緊急着陸
空飛ぶタクシーは、地上の道路交通とは違い、天候の影響を直接受ける。
強風、雨、雷、視界不良などが発生すれば、運航を中止する判断が必要になる。
また、通常の航空機と同じように、目的地へ着陸できなくなった場合の代替着陸地点も考えなければならない。
定刻運航を維持するために無理な飛行を行うのではなく、安全を優先した運航判断が不可欠だ。
課題④ 騒音と地域住民の理解
電動モーターを使用する機体は、一般にエンジン式ヘリコプターと異なる騒音特性を持つ。
しかし、静かだから騒音問題がなくなるわけではない。
複数のローターが発生させる音、離着陸時の音、住宅地上空の飛行頻度などについて、地域社会の理解を得る必要がある。
EASAもVTOL機の環境基準において、離着陸時だけでなくホバリング中の騒音評価を扱っている。
課題⑤ 離着陸場と空の交通管理
空飛ぶタクシーが普及するには、機体だけでなく地上のインフラも必要だ。
専用施設となるバーティポートには、離着陸スペース、充電設備、整備機能、乗客の安全を確保する設備などが求められる。
さらに、複数の機体が同じ空域を飛ぶようになれば、飛行経路や高度、離着陸のタイミングを管理する仕組みも不可欠となる。
政府ロードマップが2030年代前半にAAMコリドーなどの交通管理体制を整備する方針を示しているのは、こうした課題があるためだ。
実際の実証飛行でも安全上の問題は発生している
2025年の大阪・関西万博では、丸紅が運航に関わったLIFT AircraftのHEXAについて、4月26日の実証飛行中に機体の一部が損傷した。
丸紅の公式発表によれば、18基のモーターのうち1基と機体フレームの一部が損傷し、モーターカバー2個が離着陸場に落下した。操縦者を含め負傷者はなかった。
同社は原因究明のため、HEXAの実証飛行を一時停止した。
これはHEXAという特定の機体で起きた事例であり、すべてのeVTOLに同じ危険性があるという意味ではない。
一方で、実証飛行の段階から不具合を発見し、原因を調査して運航判断に反映することが、航空機の開発では欠かせない。
SkyDriveが2026年7月に発表した300回の無事故飛行も、同社の試験実績として評価できる。ただし、試験場での飛行実績と、さまざまな気象・運航条件のもとで乗客を継続輸送する実績は分けて考える必要がある。
【普及するのはいつ?】日本の空飛ぶタクシーが変える移動と今後の判断基準
都市部だけでなく地方・離島にも可能性がある
空飛ぶタクシーの価値は、都市部の渋滞を避けることだけではない。
日本では人口減少や高齢化によって、地方の公共交通を維持することが難しくなっている地域もある。
特に離島や山間部では、移動に時間がかかるだけでなく、道路の寸断や災害によって交通手段が限られることもある。
こうした地域では、空飛ぶタクシーを短距離の移動手段として活用する余地がある。
具体的には、次のような使い方が考えられる。
- 離島と本土を結ぶ移動サービス。
- 観光地間を結ぶ遊覧・旅客輸送。
- 空港から都市部までの短距離アクセス。
- 災害時の医療物資・救援物資輸送。
- 医療関係者の離島・山間部への移動。
特に道路が寸断された災害地域での活用は、通常の交通機関では対応しにくい場面を補完できる可能性がある。
2027~2028年に注目すべき3つのポイント
今後の進展を見極めるには、次の3点を確認したい。
第一に、型式証明の取得状況。
メーカーが「飛行に成功した」と発表するだけでは商用運航はできない。国土交通省による審査がどこまで進み、実際に型式証明を取得できるかが重要になる。
第二に、具体的な運航ルートと離着陸場。
商用化の発表があっても、どこからどこまで移動できるのかが分からなければ利用できない。地域の自治体、鉄道会社、空港運営会社などとの連携も注目点だ。
第三に、実際の運賃と運航頻度。
一度飛行できることと、毎日安定して運航できることは違う。悪天候時の欠航、整備による運休、予約の取りやすさなども、利用者にとって重要な判断材料となる。
空飛ぶタクシーに向いている利用者・利用シーン
初期のサービスで価値を感じやすいのは、移動時間を大きく短縮したい人や、地上交通ではアクセスしにくい場所を訪れる人だ。
観光地を短時間で巡りたい人、離島間を移動する人、空港から目的地までの時間を節約したい人などが候補になる。
一方、短距離で鉄道やバスが充実している場所では、料金や搭乗手続き、天候による欠航を考慮すると、必ずしも空飛ぶタクシーが便利とは限らない。
大切なのは、飛行時間だけでなく、自宅から離着陸場までの移動時間、搭乗前の手続き、到着後の移動時間まで含めて比較することだ。
空を飛ぶこと自体が目的の観光サービスと、日常の移動を効率化する交通サービスでは、評価すべき条件も異なる。
【空飛ぶタクシーに関するよくある質問(FAQ)】
Q1:空飛ぶタクシーは2026年中に日本で乗れますか?
A1:2026年10月現在、一般向けの有料旅客サービスはまだ始まっていない。日本政府は2027~2028年に一部地域で商用運航を開始する方針を示している。2026年に行われた東京などの実証飛行は、一般向けのタクシーサービスとは異なる。
Q2:空飛ぶタクシーの料金はいくらですか?
A2:2026年現在、一般向けの確定運賃は公表されていない。機体費用、バッテリー、整備費、保険料、離着陸場の使用料などによって決まる。初期段階では観光や限定ルートなどから始まる可能性がある。
Q3:空飛ぶタクシーは免許がなくても乗れますか?
A3:乗客として利用する場合、操縦免許は必要ない。操縦する場合には航空関連の資格が必要となる。実際の搭乗条件や年齢制限などは、運航事業者の規定によって決まる。
Q4:空飛ぶタクシーは自動運転ですか?
A4:2027~2028年に想定される初期の商用運航では、パイロットが搭乗する方式が中心になる見込みだ。政府は2030年代前半に遠隔操縦による旅客輸送を導入し、2030年代後半には自動・自律運航の一部実現を目指している。
Q5:SkyDriveの空飛ぶタクシーはいつから乗れますか?
A5:SkyDriveはSD-05の2028年商用化を目指している。2026年3月には国土交通省航空局と型式証明の全般計画書について合意し、7月には累計300回の飛行試験を発表した。ただし、実際の利用開始には型式証明や運航体制の整備が必要だ。
Q6:空飛ぶタクシーはヘリコプターより安全ですか?
A6:機体構造や安全性の評価基準が異なるため、一律にどちらが安全とはいえない。eVTOLは複数の電動モーターや飛行制御システムを利用する一方、バッテリーの熱暴走、モーター故障、悪天候などへの対策が必要となる。型式証明や運航実績を確認することが重要だ。
Q7:空飛ぶタクシーはどこから乗れますか?
A7:バーティポートと呼ばれる専用の離着陸場から搭乗する。将来的には空港、駅周辺、ビルの屋上、観光地などへの設置が想定されている。ただし、実際の乗り場は地域ごとの整備計画によって決まる。
まとめ:空飛ぶタクシーの本格普及は2027~2028年から始まる
2026年10月現在、空飛ぶタクシーは単なる未来の乗り物ではなく、商用運航に向けた具体的な準備が進む新しい航空交通システムとなっている。
日本政府が2026年3月に改訂したロードマップでは、2027~2028年に一部地域で商用運航を開始する方針が明記された。
国内企業のSkyDriveはSD-05の型式証明取得に向けた重要な合意を実現し、累計300回の飛行試験を発表。海外勢ではJoby Aviationが米国で認証の最終段階を進め、Archer Aviationも2026年8月に日本で型式証明の申請を受理された。
一方、料金、安全性、離着陸場、運航管理など、日常的な交通手段として普及するための課題は残されている。
特に重要なのは、2027~2028年の商用運航開始と、誰もが気軽に利用できる社会の実現は別の目標だということだ。
最初は限られた地域や観光ルートでの運航から始まり、その後、認証取得、量産、インフラ整備、運航管理の高度化によって利用範囲が広がっていくと考えられる。
空飛ぶタクシーの本当の普及を判断する基準は、華やかなデモ飛行の回数ではない。安全性を証明した機体が、適切な運賃で、必要なときに安定して利用できるかどうかだ。
2027~2028年は、日本の空の移動が実験から実用へ移るかどうかを占う重要な転換期となる。
主な根拠資料・2026年10月時点
- 経済産業省「空の移動革命に向けたロードマップ2026」(2026年3月27日)
- 国土交通省「米国Archer Aviation社の空飛ぶクルマの型式証明の申請受理について」(2026年8月21日)
- SkyDrive「型式証明の全般計画書に関する合意」(2026年3月9日)、「累計300回の飛行」(2026年7月2日)
- Joby Aviation 2026年第2四半期決算発表
- Vertical Aerospace 2026年7月事業進捗発表
- Volocopter 2026年5月のVoloCity試験発表
- 国土交通省・FAA・EASAの航空安全関連資料 (あわせて読みたい:【2026年最新情報】ワールドオールスタージョッキーズの結果と優勝者)
(出典: 空 飛ぶ タクシー(Yahoo!ニュース))