【1】富士サファリパークで過去に起きた重大事故とは?2005年のヒグマ事故を検証
富士サファリパークの事故史を振り返るうえで、最も重大なのが2005年10月25日に発生したヒグマによる飼育員死傷事故です。 (あわせて読みたい:2026年最新|カメムシ対策は100均でどこまで効く?ダイソー3商品を価格・成分・持続期間で徹底比較)
事故が発生したのは午前9時ごろ。静岡県裾野市須山にある同園で、飼育舎からヒグマ2頭を外に出す作業をしていた飼育員2人が襲われました。
犠牲となったのは、当時34歳だった動物展示課副主任の田村知弘さんです。頭部や左足に傷を負い、失血により亡くなりました。
一緒に作業していた19歳の小泉隆央さんも右目の上を負傷しています。
当時、園内には500人余りの来園者がいましたが、事故現場は一般客が立ち入れない飼育管理区域でした。来園者に人的被害はありませんでした。
事故の発生経緯と原因
当時の報道で確認できるのは、ヒグマを飼育舎から展示スペースへ移動させる作業中に事故が起きたという点です。
重要なのは、来園者がサファリゾーンを見学している最中ではなく、動物を管理するためのバックヤード作業中に発生したことです。
大型動物の移動では、飼育員と動物の位置関係、扉の開閉、移動経路の確保など、複数の条件が安全性を左右します。
ただし、当時の報道だけから事故の直接的な引き金や、個々の作業員の行動を断定することはできません。
事故後、富士サファリパークは営業を休止しました。施設の安全管理を見直す必要性が浮き彫りになった重大事故でした。
【2】2012年のゾウ事故で何が起きた?インサボン・カムホンさんの死亡経緯
2005年のヒグマ事故から約7年後、富士サファリパークでは再び飼育員が死亡する重大事故が発生しました。
2012年10月16日午前3時10分ごろ、アジアゾウの飼育施設内で、ラオス国籍の飼育員インサボン・カムホンさん(30)がゾウに襲われ、搬送先の病院で死亡が確認されました。
出産直後の母親ゾウが関係した事故
事故の経緯を理解するうえで重要なのが、母親ゾウが直前に出産していたという事情です。
報道によると、事故を起こしたのは18歳のメスのアジアゾウで、2012年10月14日に子ゾウを出産したばかりでした。
出産後の母親ゾウと子ゾウは24時間体制で管理されていました。
事故当日の午前3時ごろ、インサボンさんともう1人の飼育員が様子を確認したところ、母親ゾウが子ゾウを襲っているような状況になっていました。
子ゾウを守るため、インサボンさんが母親ゾウと子ゾウを引き離そうと飼育施設内に入ったところ、母親ゾウに胸などを踏まれたと報じられています。
インサボン・カムホンさんは経験豊富な飼育員だった
インサボンさんは15歳からゾウの飼育に携わっていた人物です。
事故を起こした母親ゾウとともに2011年7月に来日し、同園の職員として働いていました。
つまり、単に経験の浅い新人が大型動物の扱いを誤ったという単純な事故ではありません。
長年ゾウを扱ってきた飼育員であっても、出産直後という特殊な状況での母親ゾウの行動には、重大な危険が伴うことを示す事故でした。
また、この事故は動物の異常な行動を抑えることだけでなく、飼育員が危険な状態に直接介入しなければならない作業体制についても考えさせる出来事です。
富士サファリパークは事故当日の営業を休止しました。
【3】2016年のシロサイ事故も発生!歴代の重大事故を時系列で比較
富士サファリパークでは、ヒグマやゾウだけでなく、草食動物であるシロサイによる飼育員の重傷事故も起きています。
2016年12月10日午後4時25分ごろ、閉園作業中だった23歳の男性飼育員が、シロサイに襲われました。
報道によると、事故を起こしたのは雄のシロサイで、当時6歳、体長約3メートル、体重約3トンでした。
車両から降りて誘導していた際に負傷
飼育員は、車両に乗りながらシロサイ4頭を屋内の飼育施設へ誘導する作業をしていました。
その作業中に車から降り、シロサイを誘導しようとした際、突然追いかけられたと報じられています。
県警裾野署は、サイに踏まれたか、体当たりされた可能性があるとみていました。
飼育員は腹部を負傷し、肝臓を損傷。搬送先の病院で手術を受けました。当時、意識はあったと報じられています。
この事故で注目したいのは、シロサイが草食動物であるという点です。
草食動物であっても、体重数トンの大型動物が突進すれば、人間にとって致命的な危険があります。
富士サファリパークの重大事故一覧
これまでに確認できる代表的な飼育員の重大事故を整理すると、次のようになります。
| 発生時期 | 動物・関係者 | 事故の経緯・被害 |
|---|---|---|
| 2005年10月25日 | ヒグマ・田村知弘さん | 移動作業中に飼育員2人が襲われ、1人死亡、1人負傷 |
| 2012年10月16日 | アジアゾウ・インサボン・カムホンさん | 出産直後の母親ゾウに飼育員が襲われ死亡 |
| 2016年12月10日 | シロサイ・23歳男性飼育員 | 閉園作業中に襲われ、腹部と肝臓を損傷する重傷 |
この3件は、被害の内容も発生状況も異なります。
2005年はクマの移動作業、2012年は出産後の母親ゾウへの対応、2016年はサイを屋内に誘導する作業でした。
共通しているのは、いずれも一般来園者が動物を見る通常の展示場ではなく、飼育管理に関係する作業中に発生していることです。
なお、この表は確認できた代表的な重大事故の整理であり、園内で発生したすべての軽傷事故や労働災害を網羅した一覧ではありません。
【4】富士サファリパークの飼育員死傷事故はなぜ起きた?安全管理の課題
3件の事故を比較すると、富士サファリパークの安全管理を考えるうえで重要な論点が見えてきます。
それは、動物の種類だけで事故の危険性を判断できないということです。
① 動物の移動作業には特有の危険がある
2005年のヒグマ事故と2016年のシロサイ事故では、動物を飼育場所から別の場所へ移動させる作業が関係していました。
動物を移動させる際には、飼育員が動物の進行方向や移動経路に近づく場面があります。
扉の開閉、誘導、車両の位置、複数の動物の動きなど、作業全体を安全に管理する必要があります。
一つの作業工程に問題が生じれば、重大事故につながる可能性があります。
② 出産直後の動物には別の危険性がある
2012年のゾウ事故は、通常の移動作業とは異なる性質を持っています。
出産直後の母親ゾウは、子どもを守ろうとする行動を示す場合があります。
普段は飼育員に慣れている動物でも、出産や子育てなどの状況によって行動が変化する可能性があります。
このため、飼育経験の長さだけで安全性を判断することはできません。
③ 飼育員の安全も動物園の安全対策に含まれる
環境省は2017年3月15日、「動物園等における安全確保等について」という通知を出しています。
この通知では、来園者だけでなく、日常的に特定動物に接する飼育員や従業員の安全確保についても十分に考慮するよう求めています。
具体的には、次のような対策が示されています。
- 動物の危険性を考慮した安全対策マニュアルの整備
- 動物の種類に応じた作業手順と注意事項の順守
- マニュアルに沿った研修や訓練
- その他、事故を防止するために必要な措置
また、2022年に『動物の行動と管理学会誌』に掲載された研究では、1950年から2022年までの国内動物園の事故を調査しています。
研究で確認されたのは、54園で107件、122人分の死傷事故です。内訳は死亡25人、重傷50人、軽傷39人、不明8人でした。
飼育員の事故では、ゾウ科の動物との同室作業や、ネコ科動物の扉操作などが主な発生要因として挙げられています。
この研究は富士サファリパークだけを対象にしたものではありません。しかし、飼育員の安全確保が動物園業界全体に共通する課題であることを示しています。 (あわせて読みたい:大谷翔平の試合速報2026最新!今日の出場状況・成績・ホームランと試合結果を徹底解説)
【5】2026年5月の野生クマ目撃で何が起きた?ウォーキングサファリ休止の経緯
2026年5月、富士サファリパークでは過去の飼育員事故とは別の理由で、一部施設の利用休止が発表されました。
原因は、園周辺での野生のクマの目撃情報です。
5月20日・21日に裾野市須山地区でクマを目撃
静岡朝日テレビの2026年5月25日の報道によると、5月20日と21日に、富士サファリパーク周辺の裾野市須山地区で野生のクマが目撃されました。
これを受けて同園は、ウォーキングサファリを当面の間休止すると発表しました。
ウォーキングサファリは、サファリゾーンの外周フェンス沿いを歩いて一周する体験型アトラクションです。
コースの距離は約2.5km。森林浴を楽しみながら、ライオンやキリンなどを観察したり、エサを与えたりできます。
屋外の林間コースを歩くため、周辺の野生動物への警戒が必要になったと考えられます。
サファリゾーンとふれあいゾーンは通常営業
ここで誤解してはいけないのが、2026年5月の措置はパーク全体の休園ではなかったことです。
当時の発表では、次のように営業内容が分けられていました。
| 施設・エリア | 2026年5月の対応 |
|---|---|
| サファリゾーン | 通常営業 |
| ふれあいゾーン | 通常営業 |
| ウォーキングサファリ | 当面の間休止 |
園は、園内の点検と周辺道路の巡回を強化しながら営業を継続する方針を示しました。
また、サファリゾーンにはアメリカグマ、ヒグマ、ヒマラヤグマが飼育されています。
園内で飼育されているクマと、周辺地域で目撃された野生のクマは別の存在です。
今回の措置は、飼育動物による事故が再発したという意味ではありません。
ウォーキングサファリはその後どうなった?
しかし、2026年7月17日、富士サファリパークは翌18日から利用できるウォーキングサファリのセットプランを発表しました。
さらに、2026年10月16日には、入園とウォーキングサファリを組み合わせた新たなセットプランを公式サイトで案内しています。
したがって、2026年10月30日時点では、5月の休止措置がそのまま続いているわけではありません。
公式案内では、ウォーキングサファリの2026年の開催期間は11月30日までとされています。これは冬期の通常の営業終了時期であり、5月の野生クマ目撃による休止とは区別する必要があります。
【6】【プロの結論】2026年の富士サファリパークは安全?来園前に確認したいポイント
過去の事故歴だけを見て、現在の富士サファリパークが危険だと判断するのは適切ではありません。
一方で、重大事故が起きた歴史を軽視することもできません。
重要なのは、飼育員が動物を管理するバックヤードの安全と、来園者が利用する施設の安全を分けて考えることです。
2026年10月30日時点の営業情報
公式サイトの営業スケジュールでは、次の入園受付時間が案内されています。
| 時期 | 入園受付時間 |
|---|---|
| 3月11日~10月31日 | 9:00~16:30 |
| 11月1日~11月30日 | 9:00~15:30 |
| 12月1日~翌年3月10日 | 10:00~15:30 |
また、ウォーキングサファリは11月30日までの開催予定です。
営業時間や天候による変更、各アトラクションの運行状況については、来園当日に公式情報を確認する必要があります。
来園者が守るべき安全ルール
富士サファリパークの公式案内では、サファリゾーンの利用について車両や見学方法に制限が設けられています。
特に注意したいのは次の点です。
- サファリゾーンではマイカーまたは指定のツアー車両を利用する。
- オープンカーやキャンバストップ車、トラック、バイクなどはサファリゾーンに入れない。
- 最低地上高10cm以下の車も利用できない。
- サファリゾーン内で勝手に車外へ出ない。
- 車両に積んだ荷物は必要に応じて入園前に預ける。
- スタッフの指示や現地の案内に従う。
こうしたルールは、動物との距離を保ち、来園者の安全を確保するための基本的な条件です。
安全性を判断するための3つの視点
富士サファリパークを訪れるかどうかを判断する際には、次の3点を確認するとよいでしょう。
1. 当日の休止施設を確認する
野生動物の目撃や天候、動物の体調によって、一部のアトラクションが変更・中止される場合があります。
2. 過去の事故と現在の営業状況を混同しない
2005年、2012年、2016年の事故は、いずれも飼育管理中に発生したものです。2026年5月の野生クマ目撃によるウォーキングサファリの休止とは、事故の性質が異なります。
3. 安全対策は来園者と従業員の両面から考える
来園者がルールを守ることはもちろん、飼育員が危険な動物と接する作業についても、継続的な管理体制の整備が必要です。
現在の園内の具体的な飼育員向け作業マニュアルや設備の詳細は、公開情報だけでは把握できません。一般来園者向けの営業案内だけで、バックヤードの安全管理まで評価することはできないのです。
【富士サファリパーク事故】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:富士サファリパークでは2005年に何が起きた?
A1:2005年10月25日、ヒグマ2頭を飼育舎から移動させる作業中に飼育員2人が襲われました。34歳の田村知弘さんが死亡し、19歳の小泉隆央さんが負傷しました。
Q2:2012年のゾウ事故で亡くなった飼育員は誰?
A2:ラオス国籍のインサボン・カムホンさんです。2012年10月16日、出産直後の母親ゾウに襲われて亡くなりました。当時30歳で、15歳からゾウの飼育に携わっていました。
Q3:2016年のシロサイ事故でも飼育員は死亡した?
A3:死亡事故ではありません。2016年12月10日、23歳の男性飼育員がシロサイに襲われ、腹部と肝臓を損傷する重傷を負いました。搬送先の病院で手術を受けています。
Q4:2026年5月の野生クマ目撃でパーク全体が休園した?
A4:いいえ。休止したのはウォーキングサファリです。サファリゾーンとふれあいゾーンは通常営業と案内されました。
Q5:2026年10月現在、ウォーキングサファリは利用できる?
A5:利用できます。公式サイトでは2026年7月18日からの利用案内があり、10月16日にもセットプランが発表されています。2026年の開催予定は11月30日までです。
Q6:富士サファリパークのクマゾーンにはどんなクマがいる?
A6:公式サイトでは、アメリカグマ、ヒグマ、ヒマラヤグマが紹介されています。これらは園内で飼育されている動物で、周辺地域で目撃された野生のクマとは区別されます。
Q7:富士サファリパークは現在も通常営業している?
A7:2026年10月30日時点では、公式サイトで通常の営業スケジュールが案内されています。ただし、天候や施設の状況によって変更される可能性があります。
まとめ:富士サファリパークの過去の事故と2026年の安全情報
富士サファリパークでは、2005年のヒグマ事故、2012年のゾウ事故、2016年のシロサイ事故という、飼育員が死傷する重大事故が発生しました。
これらの出来事から分かるのは、猛獣だけでなく、ゾウやサイのような大型草食動物にも、人間の生命を脅かす危険性があるということです。
一方、2026年5月の野生クマ目撃によるウォーキングサファリの休止は、来園者の安全を考慮した予防的な対応でした。その後、同施設は7月に利用を再開し、10月には公式サイトで11月30日までの利用案内が掲載されています。
2026年10月30日時点では、富士サファリパーク全体が事故やクマ目撃によって休園している状況ではありません。
今後も、野生動物の目撃情報や施設の営業変更を確認しながら、来園者と飼育員の双方にとって安全な環境が維持されることが求められます。
過去の事故を単なる歴史として終わらせず、動物の生態を尊重した飼育管理と、事故を未然に防ぐ安全対策につなげていくことが、動物と人間が共存するサファリ施設の責任です。
主な検証資料
- 2005年の事故:当時の朝日新聞報道を転載した記録。
- 2012年の事故:J-CASTニュースの当時の報道。
- 2016年の事故:産経新聞の当時の報道内容。
- 2026年5月のクマ目撃と施設休止:静岡朝日テレビ。
- 2026年7月・10月の再開後の案内:富士サファリパーク公式発表。
- 飼育員の安全対策:環境省の2017年通知、動物の行動と管理学会誌の2022年研究。
- 2026年10月の営業状況:富士サファリパーク公式営業スケジュール。 (あわせて読みたい:サンデーモーニングの司会者は誰?2026年最新の膳場貴子と交代の経緯を徹底解説)
(出典: 富士 サファリパーク 事故(Yahoo!ニュース))